2003年度関東地区例会のお知らせ

パラオ共和国、トンガ王国の調査地から戻ったばかりのお二人にお願いして、日本オセアニア学会関東地区例会を開催いたします。学会員のみなさまのご参加をお待ちしております。

● 開催日程:

1月24日(土)、15:00〜18:00

● 会場:

東京医科歯科大学(お茶の水キャンパス)  病院16階 第一ゼミナール室

 

東京医科歯科大は、JRまたは地下鉄丸ノ内線お茶の水駅の北側にあります(徒歩1分)。お茶の水側の門から駐車場に入り、その奥の救急入口より建物にお入りください。入口より直進し、50m程先左側のエレベータで16階に昇ります。当日は案内掲示を出しますので、それに従ってお越しください。

丸ノ内線お茶の水駅

 

JRお茶の水駅

 

第一ゼミナール室

 

 

● 担当者:

研究会担当理事  栗田博之  関東地区例会幹事  梅崎昌裕 (umezaki.ith@tmd.ac.jp)

● 個別発表 

 

飯高 伸五(東京都立大学大学院)

「植民地経験と村落景観の再創造−パラオ共和国オギワル州のギンザドオリ−」

 

日本統治下の南洋群島(ミクロネシア)では、「島民」と呼ばれた地元民に日本国内を遊覧させる内地観光という制度があった。パラオ共和国オギワル州の現在の村落景観は、内地観光に参加した当時の首長によって1920年代初頭に全く新しく創造された。この首長は、内地観光で東京の銀在を訪れた時に、その整然とした街並に感銘を受け、帰郷後すぐにギンザドウリと呼ばれる一直線の街路を建設したと言われている。本発表では、2003年3月から11月にかけて行われた現地調査に基づいて、オギワルの人々が旧村落を捨てて、ギンザドウリの周辺に新しい村落を建設していった過程を検討する。

 

福山祥子(東京大学大学院)

「トンガ王国コロバイ村からの海外移出−この20年間に村でおこった変化−」

 

トンガ王国コロバイ村では、移住が人々の自然誌において重要な位置を占めている。1982年以降に村に1年以上居住した人のうち、2003年の調査時に村に居住していたのは600人のみであり、400人が海外、そして200人が国内の別の場所に居住していた。発表では9ヶ月間のフィールドワークで収集したデータに基づきながら、移住が村内の結婚や出産に与える影響について中心的に検討する。加えて、「なぜ移住するのか」また「なぜ移住しないのか」という問題についても、自分なりに考えたことを発表したい。

 

● コメンテーター

 

   青柳まちこ(茨城キリスト教大学)、栗田博之(東京外国語大学)