2016年度日本オセアニア学会関西地区例会
最終更新:2017年4月1日
2016年度関西地区例会のお知らせ
今年度の関西地区例会を以下のとおり開催します。
みなさまお誘い合わせの上、ご参加いただけますようよろしくお願いいたします。
- ◆日時:
- 2017年1月28日(土)
- ◆会場:
- 同志社大学・烏丸キャンパス・志高館地下2
- *地下鉄烏丸線「今出川駅」1番出口から、烏丸通を北上、東側
- ◆プログラム
- 13:30〜14:30 発表者:佐野文哉(京都大学大学院)
- 「フィジーにおける手話話者コミュニティの形成と変容(仮)」
- 14:40〜15:40 発表者:平野智佳子(神戸大学大学院)
- 「飲酒規制をすりぬける方法―オーストラリア中央砂漠で酒を求めるアボリジニたちの事例から(仮)」
- 16:00〜16:15 コメンテーター:梶丸岳(京都市立芸術大学)
- 16:15〜16:30 コメンテーター:川崎和也(神戸学院大学)
- 16:30〜17:30 全体での討論
- ◆研究会終了後、懇親会を開催します。
- ◆問い合わせ先
- 深田淳太郎 j.fukada[atmark]human.mie-u.ac.jp([atmark]は半角の@です)
2016年度日本オセアニア学会関西地区例会の報告
- 【日時】
- 2017年1月28日(土)
- 【会場』
- 同志社大学・烏丸キャンパス・志高館地下2
- 【プログラム】
- 13:30〜14:30 発表者1:平野智佳子(神戸大学大学院)
- 「飲酒規制をすりぬけるアボリジニたち――中央砂漠の都市アリススプリングスの事例から」
- 14:45〜15:45 発表者2:藤井真一(天理大学)
- 「平和実践としての逃げること――ソロモン諸島ガダルカナル島北東部の人びとによる二つの戦いへの対応(仮)」
- 16:00〜16:15 コメンテーター1:梶丸岳(京都市立芸術大学)
- 16:15〜16:30 コメンテーター2:川崎和也(神戸学院大学)
- 16:30〜16:45 コメンテーター3:深田淳太郎(三重大学)
- 16:45〜17:45 全体での討論
本年度の関西地区例会は、個人発表2名、それに対するコメンテーター3名で開催した。平野会員の個人発表は、オーストラリアの中央砂漠都市アリススプリングスにおける飲酒規制をすり抜けるアボリジニの実践に注目することで、現代のアボリジニ社会が貨幣経済や近代化の影響の観点のみから論じられる傾向について批判的に考察した。彼らがアリススプリングスで規制の目を潜りながら酒を手に入れる過程で発揮する予測不能な事態への対応やネットワークの活用の様子からは、狩猟採集民としての生き方とのある種の連続性が見られることが論じられた。藤井会員の個人発表は、ソロモン諸島ガダルカナル島において2000年前後に生じた民族紛争に注目し、従来の紛争状態からの平和回復プロセスにおいてしばしば見落とされてきた「逃げること」の積極的な意義について考察を行なった。発表終了後、梶丸岳氏、川崎会員、深田会員からそれぞれコメントがなされた。発表者とコメンテーターとの議論が終わった後には、会場全体に議論を開き、約15名の参加者のあいだで活発な議論が交わされた。
(関西地区例会幹事:深田淳太郎)
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